【50代女性】奥歯をインプラントにしたいがインプラントが怖いので相談したい

BEFORE
AFTER
BEFORE
AFTER

Sex : female
Name : 50代女性

主訴 奥歯がないのでインプラントにしたいが、他院で骨がないので大掛かりになると言われたのでインプラントが怖いので相談したい
治療内容 リーゲルテレスコープにて欠損補綴治療
ドイツ式入れ歯治療、テレスコープ義歯治療
治療費 2本の歯を利用したリーゲルテレスコープ154万円(税込)
※治療費は治療当時の費用です。現在の費用と異なる場合があります。
リスク 今後定期検診で管理が必要

概要

50代女性、左下の奥歯を抜いてから入れ歯かインプラントで考えていた。インプラントは怖い、50代で入れ歯も抵抗があるということでした。

左下奥歯2本失っていることから、インプラント治療、入れ歯治療のメリットデメリットをお伝えして、入れ歯の種類の中のドイツ式入れ歯の種類の1つであるリーゲルテレスコープで治療した患者様です。

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治療の流れ

①治療前のご相談、カウンセリング

他院でインプラント治療について相談したようですが、骨が少ないということで断られたとのことでした。

当院では、骨が少なくてもショートインプラントというおよそ6mm程度の種類も用意しています。また、骨の幅が少なくてもGBRという骨を増やすという方法もあります。

しかし、患者様は外科的な侵襲と恐怖心からインプラントは選択肢から除外されました。

インプラント以外となると、入れ歯になるのですが50代なのに入れ歯という抵抗感がどうしても拭えないということでお困りでした。

まずは、様々な種類の入れ歯があることを説明することからカウンセリングを行いました。

②お口の中全体の検査、病態の診査診断

歯を失っている部分だけ診るだけでは、そこに入れ歯やインプラントを入れたとしても、長持ちするかという点で疑問が残ります。

必ず歯を失った原因はあるはずですから、なぜ歯を失ったのかという原因を追求し、これからいれる歯が悪くなりにくいためには、どのように治療をしていけばいいかという視点が必要であることをお伝えしました。

歯を失った原因は虫歯、歯周病と様々な原因がありますが、もっとも重要なのは、かみ合わせです。歯が割れてしまったり、治療をしていても歯周病が進行していく症例の場合、噛み合わせに原因があることが多い実感です。そもそもインプラントも入れ歯でも治療する理由は噛むため、つまり噛み合わせを整えるための治療です。

まずは、そこのお悩みの歯だけではなく、お口の中全体、噛み合わせの検査を行い、原因をお伝えして、それから治療計画のプランニングを行うこととしました。(咬合検査+別日カウンセリング55,000円:保険外診療)

 

③治療計画の立案・説明

そして、全体のお口の中の状態、かみ合わせからの原因を説明して、メリットデメリット、費用を考えて、以下の治療の選択肢を提示しました。

 

(A)左下のみのドイツ式入れ歯リーゲルテレスコープ

メリット:

リーゲルテレスコープに内蔵されている小さな鍵を患者さんが閉めることで入れ歯が外れたり動くことは少ない。そのため一般的に噛みやすいとされている。針金(バネ)を利用しないので、手前の歯を揺さぶる力も少なく、審美的にも優れている。就寝時も装着したまま可能。

【関連記事】リーゲルテレスコープとは?メリット、デメリット、費用を解説

 

デメリット:

構造上、内冠(支えにする装置)を装着するため手前2本分の歯を削る必要がある。

費用・治療回数:

154万円、メンテナンスは別途3〜6か月に一度13200円

治療回数6回程度

 

(B)ノンクラスプデンチャー

メリット:

針金(バネ)の構造が樹脂製のピンクの素材を使用するため、保険適用の入れ歯の針金と比べて審美的にも優れている。短期間で装着まで可能。

デメリット:

手前の歯に支えを求めるが、支えが不十分なため動きやすい。そのため噛みにくい可能性がある。また、動きやすいため、支えの歯を傷める可能性がある。針金(バネ)の構造である樹脂製のピンクの素材が破損する恐れがある。就寝時は誤飲の恐れがあるため、必ずとってから就寝する。

費用・治療回数:

33万円、メンテナンスは別途3〜6か月に一度13200円

治療回数3回程度

 

④患者さんからの治療依頼受託後、治療開始

患者さんとそれぞれのメリットデメリット、治療期間や費用を比べて、(A)左下のみのドイツ式入れ歯リーゲルテレスコープで治療を行うこととなりました。

⑤本番の歯の装着、治療終了

最終の歯の試し入れを行い、見た目を確認した上で最後の本番の歯を完成させ装着していきます。

今回のテレスコープ義歯(今回はリーゲルテレスコープ)は、義歯にトラブルがあっても取り外すことができ修理ができるという入れ歯特有のメリットがあります。

ただし、リーゲルテレスコープの支えの歯が重要であるため、定期的なメンテナンスが必要です。

どの年代でも就寝時に義歯をとらないといけないというのは、患者さんからすると心理的につらいものがあると思います。また、噛み合わせが不安定になるため、就寝時に歯を傷める可能性も出てしまいます。

テレスコープ義歯は、外側(外冠)を外すと歯にかぶせている金属が見えますが、取り外すのは、歯を磨く時のみですのでご安心いただいています。

装着後は何度か調整や確認を行った後に、定期検診および歯のクリーニングに移行しました。

今回の症例のポイント

インプラント治療か入れ歯治療かという選択において、患者さんの意向が最も大切です。

しかし、現実は患者さん1人で決めるのも難しく、ネットの情報のみで判断するのはリスクが伴います。

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当院では、インプラント治療および入れ歯治療も中立に患者さんに提案、そして治療ができるようにしています。

まずは、ご相談からお力になれればと思います。

【関連記事】入れ歯の種類の選び方を解説

 

まずはご相談でお悩みをお伺いし、インプラントかテレスコープ義歯がいいか一緒にご相談しましょう。

 

テレスコープ義歯の治療で重要な設計と種類の選択

この奥歯2本を失った方は、珍しくありません。

ただ、この奥歯2本分の入れ歯こそが症例的に難しいと言われています。なぜなら、手前でクラスプ義歯、ノンクラスプ義歯にしても片側だけの義歯の場合、残った歯に支えをもたして動かない義歯にするには設計上無理があるからです。

一般的に針金をなくして、支えをしっかりさせるためにコーヌスクローネ(コーヌステレスコープ)を適用させるという設計も見ることがあります。

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しかし、結論から申し上げると、片側処理のコーヌスクローネ(コーヌステレスコープ)という設計には2つの問題点があります。

1つ目は、コーヌスクローネ(コーヌステレスコープ)の特性上、歯の欠損部に一番近い支えの歯を痛めてしまう可能性。2つ目は、誤飲の可能性です。

このように、コーヌスクローネ(コーヌステレスコープ)の設計の場合、歯の欠損部に一番近い支えの歯に過剰な負担がかかります。

また、その歯をテコにしてその手前の歯に引き抜く力がかかってしまいます。また、コーヌスクローネ(コーヌステレスコープ)が簡単にお食事等で取れない力(コーヌス力と言います)が弱まってしまう恐れがあります。

リーゲルテレスコープの場合、歯のキャップ(内冠と言います)の最後方に鍵穴を内蔵しておりますので、それが力のバランスをとってくれる構造にもなっています。

2つ目の誤飲の可能性です。

この統計でもある通り、一般的な部分入れ歯での誤飲は今回のような奥歯の小さな入れ歯で発生しています。ですから、小さな入れ歯の場合は、よりとれにくい入れ歯であるということが重要になってきます。

このような2つの理由から片側処理のコーヌスクローネ(コーヌステレスコープ)は避けています。

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テレスコープ義歯の本場ドイツでは、この奥歯2本欠損の場合、このリーゲルテレスコープを適用させるのが一般的です。

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実際にドイツに行った際に、ドイツで歴史があるハイデルベルク大学附属病院の主任教授であるランメルスベルグ教授も、この片側処理のコーヌスクローネ(コーヌステレスコープ)はやらないと、はっきりとおっしゃっていました。

このように、テレスコープ義歯の設計は複雑で歯科医師の技術が問われるところで最も重要なところです。

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いかがでしたでしょうか。

入れ歯やインプラントでお困りの際はまず一度ご相談いただければと思います。(ご相談のみ:初診時5500円)

院長の小西浩介は、テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の治療で学会やコンペティションにおける症例発表を行い、数々の受賞歴があります。また、歯科医師向けの依頼講演や依頼執筆を多数行なっておりますので、ご安心してご相談ください。

院長の小西浩介の実績紹介はこちら→ドクター紹介

まずはご相談でお悩みをお伺いし、インプラントかテレスコープ義歯がいいか一緒にご相談しましょう。

このは歯科クリニック 院長 小西 浩介

 

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