全体の歯がグラグラする原因と最適な治療方法を解説
大人で全体の歯がグラグラする場合は、その原因と根本的な解決を図るために適切な治療方法を選ぶことが大切です。
全体の歯がグラグラする主な原因は、重度の歯周病や虫歯、歯が割れている(歯根破折)、不良な噛み合わせなどが挙げられます。
歯がグラグラする場合で重度の場合は、歯周外科手術や、抜歯が必要な場合があり、全体の歯がグラグラする場合は、歯周病の治療のみでは改善しないこともあります。

治療前:全体の歯がグラグラ

治療前:全体の歯がグラグラの見た目
全体の歯がグラグラする場合は、インプラントでも従来の入れ歯でもないテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)という治療方法が望ましいこともあります。

治療後:歯を義歯の内部に残しているドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)

ドイツ式入れ歯で治療した見た目
【関連記事】全体の歯がグラグラする場合は、インプラントでも従来の入れ歯でもないテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)を完全解説!特徴、種類、メリット、費用は?
今回は、全体の歯がグラグラして歯が痛い、歯が抜けそう、歯が抜けてきたという方にその原因と最適な治療方法を解説します。
この記事の執筆は、全体の歯がグラグラの状態や、歯を失った患者さんの治療を専門としている、学会やコンペティションで数々の受賞歴を持つ、東京の「このは歯科クリニック」の院長である小西が行っておりますので、今後の治療のご参考にされてください。
【歯のお悩みブログ】全体の歯がグラグラの方、歯を失った患者さんに有益な情報をまとめています
この記事の内容は、
- 全体の歯がグラグラする主な原因
- 全体の歯がグラグラする場合に考えられるリスク
- 全体の歯がグラグラした際の治療方法
- 全体の歯がグラグラしている場合の対処法
- 全体の歯がグラグラしているときの歯医者の選び方
全体の歯がグラグラする主な原因
歯がグラグラする場合、原因はいくつか考えられます。
まず、歯周病は最大の原因です。
歯周病は、歯を支える歯茎や骨に炎症を引き起こし、進行することで歯が動揺します。
特に、中高年50代以降に多く見られる状態です。
次に、虫歯でも歯がグラグラする原因となります。
虫歯が進行すると、歯の構造が弱くなることで歯がグラグラすることがあります。
また、歯が割れてしまう(歯根破折)ことで歯周病のような状態になり歯がグラグラすることがあります。
そして、噛み合わせの問題も考えられます。
不良な噛み合わせや歯が抜けたままの状態が続くと、歯にかかる負担が大きくなり、動揺を引き起こすことがあります。
全体の歯がグラグラする場合は、このような原因を理解し、その原因を解決するような治療方法が望ましいと言えます。
まずは歯がグラグラする原因を詳しく解説します。
全体の歯がグラグラする原因その1:歯周病
原因の一つとして挙げられる歯周病は、歯を支える組織に炎症が起きる病気です。
初期段階では、歯肉が赤く腫れ、出血しやすくなります。
この段階では、自覚症状があまりないため、気づかないうちに進行してしまうことが多いです。
さらに悪化すると、歯周ポケットが深くなり、歯を支える骨が少しずつ失われていきます。その結果、歯が動揺し、最終的にはグラグラするようになります。
日本では自覚症状のないものを含めると、成人の8割以上の人が歯周病にかかっているとも言われており、30歳以上の人が歯を失う最大の原因も歯周病と言われています。
歯がグラグラの状態は、歯周病でも重度つまり重症の状態であることが高く、治療が抜歯になる可能性が高くなります。
たとえ、症状がなくても、抜歯に至ることも多いと実感です。
全体の歯がグラグラする原因その2:虫歯や歯根破折
歯がグラグラする原因として虫歯も考えられます。

歯がグラグラするという主訴、ブリッジや被せ物が入っている

ブリッジや被せ物の中は全て虫歯になっている状態
虫歯の歯を放置している以外にも、過去に銀歯や詰め物、被せ物の隙間から広がっている虫歯も原因になります。
痛みが出れば気づくこともありますが、無症状なことも多い診療実感です。
虫歯で歯が弱くなり、ある日突然歯が折れてしまったりすることで最悪抜歯に至ります。
また、神経がない歯は経年的に脆く弱くなってきます。
そのため、歯や根にヒビが入って折れてしまう歯根破折が起きやすくなります。
虫歯や歯根破折によっても歯がグラグラすることがあります。
残念ながら、そのような場合は、抜歯に至ることが多い診療実感です。
【関連記事】ブリッジの土台の歯が虫歯でグラグラになったら?知っておくべき治療方法
全体の歯がグラグラする原因その3:不良な噛み合わせや歯ぎしり、食いしばり
全体的に歯が悪くなったり、過去に治療した被せ物が多くなってくると、歯並びが悪くなったり、噛み合わせが悪くなってきます。
そして、一定の箇所に力が集中し、耐えられなくなった結果、歯にわずかなヒビが入り、そのヒビから菌が侵入し虫歯になったり、歯周病になったり歯が割れることがあります。
また、噛み合わせが悪いことで顎の筋肉の緊張することによって噛みしめ、食いしばり、歯ぎしりが誘発されることもあります。
不良な噛み合わせや歯ぎしり、食いしばりで歯に負担がかかるケースがあるということです。
全体の歯がグラグラする原因その4:歯の根の先に膿が溜まる(根尖病巣、根尖病変)
神経がない歯は歯の根の先に膿が溜まる(根尖病巣、根尖病変)状態になっている可能性があります。
根の先に膿が溜まっている場合、その周囲の骨が破壊されていることが多いため、歯がグラグラになる可能性もあります。
根の先に膿が溜まっている場合は、根管治療という根の治療も選択肢としてありますが、膿が大きい場合、改善しないこともあります。
全体の歯がグラグラする場合に考えられるリスク
全体の歯がグラグラしていると、より歯周病や噛み合わせが悪化していく傾向にあります。
今まで食事や生活がしづらかったのが、より悪化してくることもあります。
また、見た目に支障が出てきたり、いつ歯が抜けてしまうのだろうという心理的負担も大きくなってきます。
歯周病のまま放置していると、虫歯と同様に、近年では歯周病菌が原因となって全身に様々な悪影響を及ぼすことが報告されています。
循環器系疾患、肺炎、糖尿病などの疾患を引き起こしたり、悪化させることがありますので、注意が必要です。
全体の歯がグラグラした際の治療方法
全体の歯がグラグラしている場合の治療方法はフェーズ(段階)によって治療方法が変わってきます。
軽度の歯周病の段階では、いわゆる歯のクリーニングとされるスケーリングやルートプレーニンという非外科的な治療から始めることが一般的です。
しかし、歯がグラグラの場合は、軽度の段階ではないことがしばしばです。
重度の歯周病では、再生療法という失われた歯周組織(歯根の周囲の組織)を再生させる治療方法もありますが、歯がグラグラの場合は、すでに適応にならないこともあります。
したがって、歯がグラグラの場合は抜歯せざるを得ないことが多いに考えられます。
全体の歯がグラグラの場合、歯を失う本数も多くなるため、以下の治療方法が考えられます。
インプラント治療
インプラント治療は、失った歯を人工歯根で代替し、その上に人工歯を固定する方法です。
グラグラしている歯が残せない場合に、インプラントを考えることが重要です。
インプラントは、顎の骨にしっかりと固定されるため、一般的な入れ歯よりも安定感があります。
また、自分の歯と同じように扱えるため、食事や会話に対するストレスが大幅に軽減されます。
しかし、歯がグラグラで抜歯する場合、インプラントを骨に埋め込む骨が不足していることが多く、残念ながらインプラントができない、リスクが高すぎるというデメリットもあります。

他院でインプラント治療を受け、インプラントが歯周病になり撤去したインプラント
適切な骨量がない場合や、重度の歯周病が残っている際には、まずそれらを改善する必要があります。
治療の流れや費用、リスクについては歯科医師としっかり相談し、インプラント治療は慎重に計画する必要があります。
従来の入れ歯(部分入れ歯、総入れ歯)
インプラントではない治療方法には、入れ歯(部分入れ歯、総入れ歯)という治療方法があります。
全体の歯が、グラグラの場合で、自身の歯が数本残る場合は、部分入れ歯となりますがグラグラの歯に入れ歯の支えとして引っ掛けたりすると、すぐ歯が抜けてしまう恐れがあります。
したがって、次々に歯を失ってしまったり、グラグラの歯に引っかけることで、入れ歯が動いて食事が取れなかったりと生活に支障が出ることもあります。
かといって全て歯の抜いて総入れ歯にするのも歯がないことで総入れ歯が安定しない可能性もあるため、患者さんの悩みは尽きません。
【症例集】全体の歯がグラグラでも入れ歯でも綺麗になれるBefore、After!治療方法と費用を掲載
ドイツ式入れ歯と言われるテレスコープ義歯
全体の歯がグラグラする場合、このドイツ式入れ歯と言われるテレスコープ義歯がおすすめです。
【関連記事】ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)を完全解説!特徴、種類、メリット、費用は?

治療前:全体の歯がグラグラ

治療前の見た目

歯を残してドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)で治療した状態

歯を残してドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)で治療した見た目
このドイツ式入れ歯と言われるテレスコープ義歯はインプラントを使わない治療法で、従来の入れ歯とは全く異なり見た目も自然な治療法です。
全体の歯がグラグラであっても残せる歯を守りながら、従来の入れ歯のようにバネのようなもので引っかけることはなく、負担をかけにくくする特殊な義歯です。
当院では、全体の歯がグラグラの方で、インプラントではない治療法をご希望の方や、インプラント治療ではリスクが高すぎる方におすすめしている治療法です。
このテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の治療を求めに北は北海道、南は鹿児島まで数多くの患者さんが来院されています。
【関連記事】ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)を完全解説!特徴、種類、メリット、費用は?
テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の治療においては、これまで日本で最優秀賞等、数々の受賞歴があり、全国の歯科医師に向けて依頼講演や、全国の歯科医師を代表して教科書も執筆しておりますのでご安心してご相談ください。
【書籍紹介】ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)がよくわかるおすすめ書籍
全体の歯がグラグラしている場合の対処法
全体の歯がグラグラしている場合、早めに歯科医院に行かれることをおすすめします。
しかし、全体の歯がグラグラしている場合、まずは歯周病の治療を始めましょう、それから判断しましょう、ということが大半です。
抜歯するかどうかの判断が遅くなれば、残るかもしれない歯が悪くなってしまう可能性があります。
【関連記事】総入れ歯で歯がない期間の食事はどうすればいいのか?解決策を解説します
全体の歯がグラグラしている場合は、まずはどのような治療法が自分に良さそうかと検討してから歯科医院を調べることをおすすめします。
ただ、他の歯は治療も受けたこともなく健康的で、1本のみ歯がグラグラという場合は、少ないという診療実感です。
したがって、全体の歯がグラグラしている場合は、歯が抜けること、残るかもしれない歯をどう守っていくかという視点で歯科医院を選ぶことをおすすめします。
【関連記事】50代60代で総入れ歯にしたい方へ|歯が1本でも残せるならテレスコープ義歯で解決
全体の歯がグラグラしているときの歯医者の選び方
全体の歯がグラグラするのを予防する場合や軽度の場合は、歯周病の専門医にかかるのも1つの選択肢ではあります。
しかし、上述したように全体の歯がグラグラする場合は、歯を失うことや、残る歯を守りにいくという治療が必要となってきます。
当院は、全体の歯がグラグラする、全体の歯がボロボロという方にドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)やインプラントで治療することを専門にしています。
【症例集】全体の歯がグラグラでも綺麗になれるBefore、After!治療方法と費用を掲載
重度の歯周病の方や、全体の歯がグラグラして歯を失いそう、総入れ歯も検討しなければならないという方は是非一度当院にご相談ください。
【院長紹介】症例コンテストで数々の受賞歴を持つ院長の経歴紹介
まずは、治療の前にお悩みをお伺いし、治療のご相談から行いますのでご安心してお越しください。
初診は5500円(保険外診療)です。
【歯のお悩みブログ】全体の歯がグラグラの状態や、歯を失った患者さんに有益な情報をまとめています
執筆者 このは歯科クリニック 院長 小西浩介