インプラントの寿命を解説|どれくらいもつのか、寿命がきたらどうなるのか?

インプラントの寿命を解説|どれくらいもつのか、寿命がきたらどうなるのか?

インプラントの寿命がきたら、状態によってはインプラントを撤去しなければなりません。

 

撤去したインプラント2

実際に当院で撤去手術で除去したインプラント

 

インプラントは骨に埋め込むため、歯と同じように寿命を迎える可能性があります。

 

当院には、他院で治療したインプラントの寿命がきた患者さんが全国から来院されていますので、インプラントの寿命がくる原因や、そのリカバリー方法、入れ歯ではないインプラント以外の方法も解説します。

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過去にインプラント治療を受けた方でインプラントの寿命がきた方や、これからインプラントや入れ歯を検討している方のお役に立てる内容をお伝えします。

 

この記事の執筆は、歯がボロボロの状態や、歯を失った患者さんの治療を専門としている、学会やコンペティションで数々の受賞歴を持つ、東京の「このは歯科クリニック」の院長である小西が行っておりますので、今後の治療のご参考にされてください。

 

この記事の内容は、

  1. インプラントの寿命は?インプラントは何年持つのか?
  2. インプラントの寿命を延ばすためには?
  3. インプラントの寿命がきたときの治療方法
  4. インプラントの寿命がきたときの歯科医院選び
  5. インプラントの寿命に影響を与える要因
  6. まとめ

インプラントの寿命は?インプラントは何年持つのか?

患者さんからよくあるご質問で、インプラントは何年持ちますか?というご質問があります。

ここでは、インプラントの寿命や、インプラントがダメになったらどうなるか、その原因について解説します。

 

インプラントの平均寿命

インプラントは何年持つのかというご質問に対しては、

 

「上顎のインプラントの10年生存率は96,4%、下顎のインプラントの10年生存率は94%というデータがありますが、状態によってはインプラントが長持ちしない可能性があります。」

 

という回答をします。

(参考文献:荒川ら,口腔インプラントの生存に関する疫学調査:オッセオインテグレーションの獲得と維持からみた評価,岡山大学,日本口腔インプラント学会誌,2002年15巻1号 p.66-74)

 

インプラントの解説

ただし、このデータは、インプラント体(たい)と呼ばれるインプラント治療で骨の中に埋め込む人工歯根が骨に生着してから、インプラント体の上に装着する被せもの(上部構造)が入ってからの予後、生存率であります。

 

骨の中に埋め込むインプラント体が骨に生着する可能性(一次手術成功率)は、上顎は81.7%、下顎は96,1%と報告されています。

 

一見、高い数値に見えますが、私は医療であるため様々なデータから多角的に考察する必要があり、それを患者さんに伝えるべきだと考えています。

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インプラント体を埋入する骨の高さや幅のボリュームが足りない場合に、行う骨造成というインプラント治療の一環の骨を増やす方法があります。

 

このような骨の造成を伴うインプラントの失敗率は、Sjöströmら(2007)によると最大20%とも報告されています。

 

また、骨の質が良くない(柔らかい)部分へのインプラントの失敗率は、Jaffinら(1991)によると35%とも報告されています。

 

私は臨床でインプラントも入れ歯もよく行いますが、このように、様々なデータから患者さんが偏った見解で不利益を受けないよう、中立な見解でお伝えしています。

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インプラントが寿命を迎える原因

インプラントがダメになる場合の終末像の多くは、インプラントの歯周病であるインプラント周囲炎、またはインプラントのために行った骨造成部の感染の原因が挙げられます。

 

 

元々、歯周病に罹患していた方や、骨造成を伴うインプラント治療を検討されている場合は、インプラントの寿命が早い可能性もあります。

 

 

また、インプラントは入れてからが重要です。

 

必ず定期的なメンテナンスや検診が欠かせません。

 

メンテナンス不足や喫煙習慣、全身的なご病気ある場合なども、インプラントの寿命に影響を与える可能性がありますので注意が必要です。

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インプラントの寿命を延ばすためには?

インプラント治療を受けた方は、歯科医院でのメンテナンスで必ず定期的な管理が必要です。

 

インプラントの寿命を延ばすためには、メンテナンスも大切ですが、そもそも予後が心配な症例は、インプラント治療を受けるか否かの検討が必要です。

 

また、インプラントの寿命を延ばすためには、インプラントを埋入する前から喫煙をやめることも重要です。

喫煙はインプラントを支える歯肉や内部の骨に悪影響を及ぼすため、インプラントの寿命に影響を及ぼします。

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また、歯がボロボロで何本もインプラントを入れる場合や、総入れ歯に近い状態やオールオン4を検討する場合、

インプラントが1本でもダメになったしまったと仮定した際に、どうしようもないことにならないためのインプラントの治療方法も検討しましょう。

 

60代女性の治療前:ブリッジの歯が虫歯で広範囲に歯を失うため、インプラントの被せ物は取り外すことができるブリッジで計画した。

 

インプラント6本とご自身の歯3本を残し、全て一体型の取り外しができるAGCテレスコープをこの上に装着する。

 

もし、ご自身の歯やインプラントが悪くなっても簡単な修理で追加のインプラントはいらない治療方法である。

 

治療後の見た目:見た目も満足していただいた

 

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インプラントの寿命がきたときの治療方法

インプラントの寿命がきた場合、撤去に至らない場合で回復の見込みがある症例に対しては、

インプラントやインプラント体を残したままインプラント周囲炎の治療や再手術することも可能なこともあります。

 

60代女性の治療前:過去に他院で前歯に5本インプラントを入れている全てのインプラントが膿んでいる状態、奥歯左右3本とも追加で歯を失い、もうインプラントはしたくないという主訴であった。

 

インプラント周囲炎の治療と、インプラントの被せ物の歯が長いという審美障害のため、またインプラントの噛み合わせも不良であること、奥歯のない歯を全て治療するため、インプラント周囲炎の治療とドイツ式入れ歯で治療を行う。

 

治療後:インプラント体を全て回復させてから、インプラント体を撤去せず、歯を失った奥歯も全てドイツ式入れ歯で治療を行なった。

 

治療後の見た目:審美的にも満足していただいた

 

【関連記事】過去にインプラントをした方、もうインプラントをしたくない方は、インプラントでも入れ歯でもないドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)がおすすめ!

 

インプラントの寿命がきたときの歯科医院選び

インプラントの寿命がきた場合、インプラント治療ができること、インプラントをしたくない場合の他の治療ができることが歯医者を選ぶ条件となります。

 

インプラントの寿命がきた患者さんの場合、インプラント専門、または入れ歯専門の場合ですと、治療が十分に受けれない可能性もあります。

【院長紹介】症例コンテストで数々の受賞歴を持つ院長の経歴紹介

 

当院では両方とも治療を行なっておりますので、ご相談ください。

 

60代女性:過去にインプラントを奥歯に何本も入れたものの、インプラントが化膿しており、インプラントも入れ歯もできる、実績のある歯科医師を探されていた。

 

治療後:残せたインプラントも残りの歯も守るため、上下ドイツ式入れ歯で治療を行なった。

 

治療後の見た目:ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)が上下に入っている状態

 

 

インプラントの寿命に影響を与える要因

インプラントの寿命には、歯科医師の治療技術も重要ですが、骨の状態、全身状態、インプラント周囲炎、骨造成の有無、メンテナンス不足、喫煙習慣など様々な要因が影響を与えます。

 

メンテナンス不足の場合、インプラント周囲炎が発生しやすくなります。

そのため、インプラントの寿命を延ばすためにも、定期的に歯科医院でメンテナンスを行い、インプラント周囲に汚れや炎症の管理をする必要があります。

 

また、インプラントに喫煙は悪影響を及ぼすため、少なくともインプラントを考える前から禁煙を行うことは大変重要です。

インプラント周囲の歯肉や骨には微小な血管が多く存在します。

したがって、喫煙で血管が細くなるため、インプラント周囲の歯肉や骨に栄養や代謝に悪影響を及ぼします。

インプラントの寿命を延ばすためのも、インプラント治療を受ける前も受けてからも、禁煙は心がけましょう。

 

インプラント治療は無理をすると、遅かれ早かれインプラントの寿命に与える可能性があります。

 

インプラント治療をする前には必ず、歯科医師から十分に患者さん個々に合わせたリスクを聞くことをおすすめします。

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まとめ

インプラントの寿命はデータ上、10年以上は大丈夫なように見えますが、

その後寿命がきた時のことも考えて、歯科医院をよく選び、そもそもインプラント治療以外ではどのような治療があるのかというリサーチも欠かせません。

 

当院では、インプラント治療をお考えの際は、インプラント治療を中立にご説明し、インプラント以外の方法もあわせてご提案するようにしています。

 

インプラントでお困りの方、インプラント以外の方法でも提案してほしい場合は是非当院にご相談ください。

 

まずは、治療の前にお悩みをお伺いし、治療のご相談から行いますのでご安心してお越しください。初診は5500円(保険外診療)です。

執筆者 このは歯科クリニック 院長 小西 浩介

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