総入れ歯とテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)は、似ている点もありますが別物です。
総入れ歯は、歯が1本も残っておらず、すべての歯を失った場合に使用する義歯(入れ歯)です。
一方、テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)は、弱い歯であっても自身の歯を残せる場合に利用する義歯の種類です。
【関連記事】ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)を完全解説!特徴、種類、メリット、費用は?
歯を全て補い揃えるという点では、ある意味、総入れ歯とは言えます。
歯の状態やお口の中の状態によって、総入れ歯とテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の使い分けがあり、それぞれ似ている点もあり、メリット・デメリットがあります。
この記事では、総入れ歯とテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の違いと選び方を徹底解説します。
この記事の執筆は、歯がボロボロの状態や、歯を失った患者さんの治療を専門としている、学会やコンペティションで数々の受賞歴を持つ、東京の「このは歯科クリニック」の院長である小西が行っておりますので、今後の治療のご参考にされてください。
【歯のお悩みブログ】総入れ歯やドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)の情報をまとめています
この記事の内容は、
- 総入れ歯とテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の違い
- 総入れ歯とは?メリット・デメリット
- テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)とは?メリット・デメリット
- 総入れ歯とテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)どちらがいいのか
- まとめ
総入れ歯とテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の違い
総入れ歯は、歯が1本も残らない方に使用する義歯(入れ歯)で、歯が残っている時に使用する部分入れ歯とは異なります。
歯が残っていても全ての歯を補う場合は、総入れ歯という認識の患者さんもいますが、正式には総入れ歯とは呼びません。
しかし、歯が残っていても全体に歯を入れる場合に、総入れ歯と呼ぶニュアンスはよくわかります。
【関連記事】『若いのに総入れ歯』の原因と悩みを解決する治療方法

治療前:上は総入れ歯、下はドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)で治療を行う

治療後:上は総入れ歯、下はドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)
歯が残っている場合で、歯を残すことができ全ての歯を補う場合、
総入れ歯のニュアンスに近いテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)という治療の選択肢があります。
【関連記事】ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)を完全解説!特徴、種類、メリット、費用は?
歯が残っている場合、従来の入れ歯ですと、残っている歯に針金のようなクラスプという金属製のバネのようなものをひっかけ、失った部分の歯を補います。
それがいわゆる部分入れ歯です。
しかし、その部分入れ歯は見た目が良くなかったり、ひっかけた歯がすぐ悪くなってしまうというデメリットがあります。
部分入れ歯には総入れ歯と同様に保険内治療も保険外治療もありますが、部分入れ歯は一般的に保険内治療も保険外治療に関わらず、残っている歯にひっかける仕組みは似ています。
そのため、残っている歯に負担がかかり、歯が悪くなりやすい傾向にあります。
そこで、歯が残せる場合は、総入れ歯ではなく、一般的な部分入れ歯でもなく、テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)がおすすめです。
【関連記事】ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)を完全解説!特徴、種類、メリット、費用は?
従来の部分入れ歯のように歯に引っかけることはなく、歯を温存することができます。

治療前

治療後:上は総入れ歯、下はテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)
ドイツ発祥でインプラントを使用しない保険外治療の義歯(入れ歯)であり、
一般的にドイツ式入れ歯と言われており、正式名はテレスコープ義歯やテレスコープデンチャーといいます。
歯が残っていても、歯を全て補うためテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)は総入れ歯に似ている要素もあります。
【症例集】総入れ歯でも総入れ歯に近い状態でも綺麗になれるBefore、After!治療方法と費用を掲載
総入れ歯とは?メリット・デメリット
一般的に総入れ歯では生活ができないだろうからという理由でインプラントを進める歯科医院も増えていますが、
総入れ歯に近い状態の患者さんにインプラントをする場合は、インプラントを埋め込む骨が不足していることも多々あるため、インプラント治療のリスクも高くなります。
当院では、インプラント治療をご希望される方であっても、患者さんの状態を見て、包み隠すことなくインプラントのリスクを必ずご説明しています。
残っている歯を抜歯してインプラントを使った総入れ歯や、インプラントオーバーデンチャー、オールオン4などを検討されている方は、
まずはご自身の歯を使った総入れ歯に準じたテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)をご検討いただいております。
【関連記事】ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)を完全解説!特徴、種類、メリット、費用は?
万が一、テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)からインプラント治療に切り替える場合でも、
インプラントはその後からでも可能ですので、ご自身の歯が弱い、総入れ歯になりそうと思っていてもまずは当院にご相談ください。
【関連記事】50代60代で総入れ歯の人はいますか?歯がボロボロ治療専門の歯科医師が解説
テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)とは?メリット・デメリット
テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)とはドイツ発祥で130年以上も歴史ある治療方法です。
本場ドイツをはじめヨーロッパでは、歯がボロボロで全体を治療する場合、
インプラントかテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)かとなるほど現在も臨床応用されており、
テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)が盛んなドイツ最古の名門ハイデルベルグ大学附属病院でも私の目で確認しております。
テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)とは、歯が残っている場合、歯を残して歯を温存させることができ、見た目も優れた義歯です。

治療前

テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の治療後
たとえ歯が弱くても歯が残っているため、総入れ歯に似ている状態でも義歯が安定するため、噛んでいる感覚が残りやすいというメリットがあります。
これから総入れ歯を考えている方、インプラントを悩んでいる方にはおすすめの義歯です。
【関連記事】ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)を完全解説!特徴、種類、メリット、費用は?
テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)にはいくつもの種類があり、
歯や噛み合わせの状態によって歯科医師が選択、テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)のデザインを行います。
テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の種類にはコーヌステレスコープ、レジリエンツテレスコープ、リーゲルテレスコープ、AGCテレスコープなど様々な種類があります。
日本で出版された歯科医師向けのテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の教科書も日本を代表して私が執筆担当しております。
また、歯科医師に向け全国で講演や執筆活動も多数行なっている実績もあります。
では、総入れ歯を検討されている方でどのような方が、どのテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の種類に向いているかを解説します。
歯がボロボロでも複数本残っている場合で、総入れ歯を検討している方は、コーヌステレスコープが向いています。
【関連記事】コーヌステレスコープ義歯とは|種類、メリット、デメリット、費用を解説します
歯が全体的になく、歯が数本しか残らない場合は、総入れ歯式のテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)とヨーロッパでは呼ばれている、レジリエンツテレスコープが向いています。
【関連記事】50代60代で総入れ歯にしたい方へ|歯が1本でも残せるならレジリエンツテレスコープ義歯
リーゲルテレスコープは奥歯2本失った方のみに向いていますので、総入れ歯をご検討の方は向いていません。
(※余談ですが、近年、他院で行なった全体的なリーゲルテレスコープで治療された後のトラブルが多発しており、当院で多くの再治療を行なっております。他院で治療を行うとしても、治療前によくリスクを確かめ、治療を受けられることをおすすめします)
【関連記事】リーゲルテレスコープ義歯とは|種類、メリット、デメリット、費用を解説
【院長紹介】症例コンテストで数々の受賞歴を持つ院長の経歴紹介
このようにテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の種類には様々あり、お口の中や噛み合わせなどの状態を判断して歯科医師が設計します。
【書籍紹介】ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)がよくわかるおすすめ書籍
したがって、テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)は、歯科医師によって非常に技術差が出ますので、実績のある歯科医師のもとで治療を行うことを強くお勧めします。
(※またまた余談ですが、当院には他院で行なったテレスコープ義歯の経過不良症例の再治療を残念ながら多数行なっております。大半がはじめの設計や、歯科医師の臨床技術によるものです。テレスコープ義歯の治療を検討の場合は、治療を行う歯科医師をよく調べて治療をご検討ください)
【院長紹介】症例コンテストで数々の受賞歴を持つ院長の経歴紹介
テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の最大のデメリットは、
テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)のきちんとした治療を受けられる歯科医院が限られていることです。
【関連記事】ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)のデメリットとは
当院には、テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の治療を求めに北は北海道、南は鹿児島まで数多くの患者さんが来院されています。
【書籍紹介】ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)がよくわかるおすすめ書籍
総入れ歯とテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)どちらがいいのか
総入れ歯とテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)どちらがいいのか?というご質問をよく受けますが、歯を残せるのであれば、テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)が望ましいです。

治療前

治療前

上は総入れ歯、下はドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)で治療

治療後の見た目
歯を残すことで、噛む感覚や安定感が違います。
たとえ弱い歯であってもテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の場合は歯が残せる可能性もありますので、
全て抜いてインプラント(オールオン4など)やインプラントオーバーデンチャーといったインプラントを埋め込み支えにする総入れ歯を行う前に、まずはご相談いただければと思います。
【関連記事】入れ歯かインプラントか?わかりやすい選ぶポイント
当院での総入れ歯もテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)も、保険外治療で行うため、
歯をすぐに入れたい場合、入れなければ生活できない場合も、仮の総入れ歯を用意するため、治療開始から歯をないままで帰宅してもらうことはありません。

治療前:歯がないところも歯がグラグラのところも多々ある状態

治療開始後、すぐに仮の歯を入れた状態
【関連記事】総入れ歯で歯がない期間の食事はどうすればいいのか?解決策を解説します
また、総入れ歯になると、就寝時に総入れ歯を外すことや、洗浄液につけ置き洗いをしなければならないと思われている方も少なくありません。
当院の保険外治療の総入れ歯もテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)も、就寝時もお口の中につけたまま、寝ることができるため、見た目や夜間歯がないことでの呼吸への影響も心配は入りません。
当院では、患者さんのほとんどが40代50代60代の比較的若い方の総入れ歯やもテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の治療を専門にしております。
入れ歯と聞くと、高齢者のイメージを持つ方がいらっしゃるかもしれませんが、
当院では、従来の入れ歯のイメージとは全く異なる『ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)』や総入れ歯を専門に行なっておりますのでご安心してご相談ください。
初診時におよその治療方法や治療費用をお話しできますので、まずは初診のご相談(保険外診療5500円)でお悩みを解決する第一歩となれば幸いです。
まとめ
今回は、総入れ歯とテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の違いと選び方を解説しました。
総入れ歯をご検討している方は、非常に落ち込んでいたり、長年歯で悩んでいたと言う方が多いという実感です。
大抵のお悩みは解決することが大半ですので、まずは一度総入れ歯、テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)を専門にしている当院にご相談ください。
【書籍紹介】ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)がよくわかるおすすめ書籍
当院では、総入れ歯をご検討中の方や総入れ歯でお困り、お悩みの方や歯がボロボロでお悩みの方に、患者さんの希望やお口の中にあった最適な最善な提案をしております。
入れ歯やインプラントでお悩みの方はご相談ください。
【歯のお悩みブログ】総入れ歯やドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)の有益な情報をまとめていますので、是非ご覧ください。
まずは、治療の前にお悩みをお伺いし、治療のご相談から行いますのでご安心してお越しください。
初診は5500円(保険外診療)です。
執筆者 このは歯科クリニック 院長 小西浩介