これから総入れ歯やそれに近い入れ歯で治療する場合、一般的に歯がない期間が発生する可能性があります。
患者さんからすれば、非常に心配だと思います。
今回は、総入れ歯で歯がない期間の食事はどうすれば良いのかを解説します。
この記事の内容は、
- 総入れ歯の歯がない期間はどれくらい?
- 総入れ歯の歯がない期間の食事はどうすればいい?
- 総入れ歯の治療方法をよく選ぶ
- 総入れ歯で歯がない期間をなくすための治療方法
- 【実例解説】総入れ歯で歯がない期間は作らない治療方法
- まとめ
総入れ歯の歯がない期間はどれくらい?
保険内治療のような一般的な総入れ歯治療では、総入れ歯が完成するまでの通院回数は約4回です。
4回の治療の流れは、①型取り②噛み合わせの採取③試し入れ④完成装着、です。
通院間隔は2~3週間が一般的ですので、約2か月程度となります。
これから総入れ歯やそれに近い入れ歯で治療する場合は、約2か月程度の歯がない期間を過ごさなければなりません。
患者さんの立場からすれば、歯がない期間があるということ自体、見た目や食事で不安が尽きないのではないかと思います。
総入れ歯の歯がない期間の食事はどうすればいい?
総入れ歯の歯がない期間の食事は、歯茎で食事を咀嚼することになります。
しかし、歯茎で食事をとることは非常に困難で、普通の食生活は難しいことになります。
歯がないと食べ物を砕くことができないため、丸のみになりますので胃腸の負担が大きくなります。
総入れ歯治療の歯がない期間の食事は、栄養を補うことができるゼリーや、柔らかく煮たペースト状のようなもの等を摂取し、栄養を少しでも摂取することを推奨されています。(参考:老年歯科医学会 要介護高齢者の口腔・栄養管理のガイドライン 2017)
しかし、この期間が約2か月間もあるため、患者さんは歯がないため食べれないということから、食事制限をしてしまい、栄養をとることが難しくなることもよくあります。
それによって、心身ともに疲弊していってしまうことも少なくありません。
総入れ歯の治療方法をよく選ぶ
総入れ歯で歯がない期間の食事をどうすればいいかを考えるよりも根本的な解決方法があります。
それは、仮の総入れ歯を用意することです。
それによって、見た目や食事への心配がなくなります。
では、なぜ多くの歯科医院は仮の総入れ歯を用意しないかという疑問を患者さんは持たれると思います。
それは、保険内治療の制度と、保険外治療であっても技術的な面で困難であることが関係しています。
仮の総入れ歯やそれに近い入れ歯治療での仮の入れ歯は、「斬間義歯(ざんかんぎし)」と呼ばれますが、この斬間義歯つまり仮の入れ歯は保険給付は認められないとされています。
つまり、総入れ歯などの仮の入れ歯は保険内治療ではできないということになります。
また、最終的な総入れ歯を保険内治療で治療する場合、仮の入れ歯を保険外治療で製作することは「混合診療」となるため、これも保険内治療では認められておりません。
したがって、保険内治療で進める場合は、仮の入れ歯は製作できないということになります。
全て保険外治療で行う場合は、この規定を満たさなくて良いため、仮の入れ歯を作ることは可能です。
しかし、保険外治療でも仮の入れ歯をすぐに用意する歯科医院は極めて少ないのが現状です。
理由は、仮の総入れ歯であっても、先に述べた総入れ歯を製作する工程の4回の治療の流れは、①型取り②噛み合わせの採取③試し入れ④完成装着、の約2か月間を待たなければならないからです。
この工程を確実にエラーが出ていないかを慎重に確認していくことが一般的であるため、仮の入れ歯が出来上がるまで約2か月間待たなければならないため、現実的ではないことから仮の入れ歯を入れることができないことになります。
総入れ歯で歯がない期間をなくすための治療方法
それでは、この仮の入れ歯を入れるためにはどうしたらいいのかを解説します。
当院では、これから総入れ歯やそれに近い入れ歯で治療する場合、必ず仮の入れ歯は用意しています。
そのほとんどが、治療開始2回目、治療開始から1~2週間後には仮の入れ歯が入ります。
具体的には、総入れ歯治療で通常行う4回の工程を2回の工程にします。
①型取り、噛み合わせの採取②完成装着、です。
通常の工程を省略化するも、保険内治療ではできない治療技術を行い精度を担保し、治療を行います。
また、試し入れは行いません。試し入れは行うと回数が増えること、何より今お口の中に大型のブリッジが入っていてとれそうという方や、歯があって試し入れができない方は試し入れをすると、歯がない期間ができてしまいます。
試し入れをしない分、患者さんの口元のデータをデジタルで採得し、見た目を想像しながら、歯を作る歯科技工士に指示をします。
このように、治療開始2回目で仮の入れ歯を装着することを少なくとも年間約100症例以上行っておりますが、これまで全く入れなかったことは一度もありません。
これから総入れ歯やそれに近い入れ歯で治療する場合、一般的に歯がない期間が発生しますが、このように患者さんの生活を考えた治療方法もありますので、歯科医院をよく選び、歯科医師と十分相談して治療を開始されることをおすすめします。
【実例解説】総入れ歯で歯がない期間は作らない治療方法
では、実際当院で行っている総入れ歯で歯がない期間を作らない治療はどのように行っているかを実例で解説します。
このように総入れ歯でも総入れ歯に近い状態であっても、仮の歯を入れることで患者さんが困らないように治療を進めることができます。
※このような治療ができる歯科医院は多くはないため、他院でこのような治療ができる保証や責任は負いかねます。
治療費
・ご自身の歯がない総入れ歯の場合(仮の総入れ歯治療も含む)治療費込みで132万円(税込)
・ご自身の歯が数本残せる総入れ歯に近いドイツ式入れ歯であるテレスコープ義歯の場合(仮の総入れ歯治療も含む)治療費込みで231万円(税込)
※治療費は変更されている可能性があります。
治療のリスク
仮の入れ歯は慣れるのにおよそ1か月くらいかかる可能性があります。ただし、患者さんの適応次第でその期間は短縮される可能性があります。
【関連記事】50代60代で総入れ歯の方はこちら。当院の総入れ歯治療は見た目や生活が安心できます
まとめ
総入れ歯で歯がない期間の食事はどうすればいいのかということで悩まれている方は少なくありません。
当院には、歯がない期間があると言われて困っている方が非常に多く来院されます。
歯がない期間は我慢してください、ゼリーやお粥ばかり食べてくださいなどは当院ではお伝えしたことは一度もありません。
歯がない期間の食事で丸のみ状態が続くと、心身ともに疲弊していき、いざ歯が入る時にはその歯に始めは慣れないこともあり、患者さんの生活の質が低下しやすくなります。
総入れ歯治療で歯がない期間の食事をどうすればいいかということを考えることには限界があります。
仮の入れ歯を早期に用意し、見た目も食生活も整えて差し上げることで、生活の質をできる限り維持していくことは患者さんにとって大変重要なことだと私は考えています。
全体のブリッジが取れそう方、歯がボロボロで歯がほとんどない方、総入れ歯で歯がない期間があると言われた方でお困りの方はまずは当院にご相談いただければと思います。
当院では、50代60代の歯がボロボロの専門歯科医院として、噛み合わせを重視した保険外治療の総入れ歯やテレスコープ義歯やインプラント、セラミックの被せ物で治療を行っております。
患者さんは北海道から鹿児島まで、多くの方が来院されています。
歯がボロボロの専門歯科医院にかかわらず、開業し始めた2年間で500名以上の患者さんが来院されています。
私は、この歯がボロボロの治療を治療した患者さんの症例発表を学会やコンペティションで全国で最優秀賞を何度も受賞しております。
また、その技術を歯科医師向けに依頼講演や依頼執筆を行なっていることからその実績を頼りに、全国から当院に治療をされに来られます。
歯がボロボロでお困りの際は、一度当院にご相談ください。
院長 小西 浩介
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ご自身に近い状態が症例集にいずれかに該当すると思いますので、歯がボロボロのときの治療を行なった症例集で治療の種類や治療費用もご確認ください。