総入れ歯上だけの治療方法と注意点を解説
患者さんから、総入れ歯の上だけ治療したいのですができますか?とご質問をいただくことがよくあります。
総入れ歯の上だけ治療できる場合もありますが、状態によっては、上だけではできない場合もあります。
そもそも総入れ歯の上だけ治療する方法には、どのような治療があるのかを知りたい方は多くいます。
今回は、総入れ歯上だけの治療方法と注意点を、様々な事例をあげて具体的に解説します。
この記事の執筆は、全体の歯がボロボロの状態、歯を失った患者さんの治療を専門としている、学会やコンペティションで数々の受賞歴を持つ、東京の「このは歯科クリニック」の院長である小西が行っておりますので、今後の治療のご参考にされてください。
【歯のお悩みブログ】これから総入れ歯を検討している方や、歯がボロボロ、歯を失った患者さんに有益な情報をまとめています
この記事の内容は、
- 総入れ歯とは
- 総入れ歯の上だけ治療する方法
- 総入れ歯の上だけ治療したときの見た目を事例で解説
- 総入れ歯の上だけ治療する注意点
- 上だけを総入れ歯かインプラントにするかを比較
- まとめ
総入れ歯とは
総入れ歯とは、全ての歯を補う治療方法です。
総入れ歯の厳密な定義は、上あごまたは下あごに自身の歯が1本もない方で、全ての歯を人工の歯で補う治療を指します。
患者さんの中には、自身の歯が残っていても、全ての歯を治す場合は、総入れ歯という意味でお話しされる方もいます。
また、全ての歯をインプラントにして総入れ歯にしようと思っているとお話しされる方もいますので、
今回は自身の歯があってもなくても、上あごを全て人工の歯で補う患者さんが表現される総入れ歯の意味を含めて解説します。
【関連記事】50代60代で総入れ歯の人はいますか?歯がボロボロ治療専門の歯科医師が解説
歯が1本もない総入れ歯の場合、なぜ総入れ歯が外れないのかというご質問を頂きますが、吸盤と同じ原理です。
吸盤と同じ原理は、『吸着現象』と呼び、総入れ歯と歯茎が唾液を介在することで真空状態に近くなることでぴったりします。
歯が1本でも残る場合は、その歯を取り込んで歯を支えに使いながら、歯を守りにいくタイプの総入れ歯のような義歯もあります。

治療前

治療前の見た目

治療後:歯を何本か残し義歯に取り込んでいる

治療後の見た目
このような総入れ歯タイプの義歯を、ドイツ式入れ歯と呼び、正式名は『テレスコープ義歯』と言います。
歯が一本もない総入れ歯よりも、弱くても自身の歯を残せる場合で、テレスコープ義歯にすると、
吸着現象と歯を支えにすることができるため、義歯が安定しやすく、よく噛めることが可能です。
【関連記事】テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)を完全解説!特徴、種類、メリット、費用は?
見た目は、歯が一本もなくても、歯があっても、当院では保険外治療の総入れ歯またはドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)でも自然に綺麗になりますので、ご安心ください。
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総入れ歯の上だけ治療する方法
総入れ歯の上だけの治療を検討する場合、まずは上あごの自身の歯が一本もないのか、残すことができるのかで治療方法が異なります。
それぞれ、総入れ歯の上だけを治療する方法を解説していきます。
歯が一本もない状態で、総入れ歯の上だけ治療する方法
歯が一本もない総入れ歯の上だけを治療する方法を解説します。
歯が一本もない総入れ歯の上だけ治療をする場合で、現在義歯を入れていない場合は、すぐに総入れ歯の仮の歯である仮義歯を用意します。
歯がないと、食事や見た目の生活に支障が生じるため、速やかに用意します。
仮義歯が用意できてから、抜歯する歯があれば抜歯を行い、すぐに仮義歯を装着します。

治療前:上の歯がなく総入れ歯治療をする患者さん

上に仮の総入れ歯を入れた当日の見た目
よく患者さんから抜歯後すぐに仮義歯を入れてもいいのかと聞かれますが、問題ありません。
当院では、そのような治療方法で行っておりますが、仮義歯が合わなくて入れられなかったことや大きなトラブルはありません。
【関連記事】総入れ歯で歯がない期間の食事はどうすればいいのか?解決策を解説します
抜歯が終わり、歯茎が治る約3か月程度は、仮義歯を装着してもらいます。
寝る時もつけたままで、最終的な義歯も仮義歯も外すのは、患者さんがお手入れをするために洗浄する時のみです。
※これは、一般的な治療ではなく、当院での保険外治療の総入れ歯治療やドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)で実施していることなので、ご注意ください。
抜歯した歯茎が癒えたら最終的な総入れ歯の型取りを行います。
そこから約4回で最終的な総入れ歯が完成します。
患者さんに、よく聞かれることの1つで、どれくらいで義歯に慣れますか?というご質問があります。
当院では、仮義歯を入れてから、およそ1か月で多くの患者さんが慣れています。
初めてこれから総入れ歯にしたい方にとって、様々なことが非常に心配で不安だと思いますが、
当院では総入れ歯やドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)を専門にしていますので、私のみならずクリニックのスタッフとともに、治療開始から一貫して患者さんをサポートしておりますので、ご安心いただければと思います。
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自身の歯が一本でも残りそうな状態で、総入れ歯の上だけを治療する方法
主な流れは、上述した、歯が一本もない総入れ歯の上だけを治療する方法と同じです。

治療前

治療後:上の歯を残して上だけテレスコープ義歯にした状態
当院では、歯が残る場合は、ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)で治療を行いますが、
歯が一本も残らない場合と違う点は、歯が残るように虫歯治療や歯周病治療を行うことです。
インプラントを使用する総入れ歯のようなものを入れるオールオン4などは、インプラントを骨に埋め込む手術が必要です。
ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)や、インプラントを使用する総入れ歯でもない場合の治療方法は、従来の部分入れ歯となります。
従来の部分入れ歯は自身の歯に入れ歯を引っかける構造であるため、自身の歯が悪くなりやすい傾向にあるため、当院では推奨しておりません。
【関連記事】総入れ歯とテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の違いと選び方
総入れ歯の上だけ治療したときの見た目を事例で解説
総入れ歯の上だけ治療したときの見た目を心配される方は多くいます。
総入れ歯になったら老けた感じになってしまったらどうしようという不安は当然です。

上だけ総入れ歯に似たテレスコープ義歯で治療した見た目
しかし、歯があっても1本もなかったとしても、総入れ歯の上だけ治療したときの見た目は自然に勝つ綺麗にすることが当院では可能です。

上だけ総入れ歯治療後の見た目
もちろん、上あごと下あごを同時に、歯があっても1本もなかったとしても総入れ歯治療、それに類似した治療をしても、綺麗になります。
むしろ、上下同時に治療することで全体のバランスや歯の色を揃えやすいことが多いです。

上下総入れ歯治療前の見た目

上下総入れ歯治療後の見た目
このように、総入れ歯の上だけ治療したときの見た目は、患者さんが想像していたよりも自然かつ綺麗になることがご理解いただけたのではないでしょうか。
※歯科医師の技術差によって大きく見た目の差が出やすい治療ですので、保険外治療だからといって、どこの歯科医院でもこのような結果であるということではありませんので、ご注意ください。
総入れ歯の上だけ治療する注意点
総入れ歯の上だけを治療するメリットは、食事が取れるようになったり、見た目が改善することなど多くありますが、総入れ歯の上だけを治療するデメリットや注意点を解説します。
総入れ歯の上だけを治療する注意点は、そもそも総入れ歯の上だけを治療することが可能なのかということです。

治療前

治療前

上は総入れ歯、下はテレスコープ義歯の治療後

治療後
例えば、上下で噛み合わせが悪いにも関わらず、上だけ治療することはお勧めしません。
上下で噛み合わせが悪いにも関わらず、総入れ歯の上だけ治療しても、噛み合わせが改善しないこと、そもそも総入れ歯が作れない、見た目が不自然、上の総入れ歯が安定しない、よく噛めないということが考えられます。
また、下あごの歯が上あごの歯と同じように状態が良くない場合は、同時進行で上下治療をした方がいいこともあります。
このようなトラブルは、総入れ歯の上だけを治療する前に、検査で未然に想定できることであるため、治療前の十分な検査や歯科医師と相談することが大変重要です。
このように、総入れ歯の上だけを治療しても治療の効果が十分に出ないと想定できる場合は、総入れ歯の上だけを治療することをお勧めしておりませんので、
当院では、総入れ歯の上だけで治療できるかを検査してから患者さんと相談して決めています。
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上だけを総入れ歯かインプラントにするかを比較
総入れ歯の上だけ治療する場合、歯が一本もない、または歯を残して総入れ歯にする治療方法の他に、インプラントをして総入れ歯のようにすることも可能です。
例えば、歯が一本もない場合では、インプラントを骨の中に埋め込み、総入れ歯を固定する治療方法があります。
一般的には、4本や6本程度のインプラントを上あごの骨に埋め込み、吸着現象ではなく、インプラントを支えにして総入れ歯を固定する治療方法を『オールオン4』や『オールオン6』と呼びます。
オールオン4のようなインプラントで総入れ歯を支える治療方法のメリットは、インプラントがなく、歯もない総入れ歯と比較をすると、安定しやすい点です。
理由は、歯がない総入れ歯は、吸着現象でくっついているに対して、
インプラントを支えにした場合は、固定効果が強いため歯科医師の技術に問わず、総入れ歯が安定しやすいと言われています。
しかし、このインプラントを支えにする総入れ歯には、大きなデメリットとリスクがあることを知っておかなければなりません。
というのも、インプラントは一生持つと思われている患者さんが多くいますが、実はインプラントは歯周病になりうるということを理解しなければなりません。
インプラントが歯周病になることをインプラント歯周炎と言います。

インプラント周囲炎の状態
これは、歯磨きやメンテナンスなどのケアを怠ると、インプラントが歯周病のような状態になり、インプラントの周囲の骨を溶かし、最悪インプラントを撤去しなければならないか、インプラントが抜け落ちてしまう可能性があるということです。

インプラント撤去後

撤去したインプラント
また、歯磨きやメンテナンスを受けていても、インプラント周囲炎は起こってしまうこともあります。
したがって、もし総入れ歯を支えるインプラントが悪くなってしまった場合、手に負えなくなってしまうリスクを十分に理解しなければなりません。

他院で行なった上あごのインプラントで、骨を人工的に増やした部分が膿んでいる状態

撤去した上あごのインプラント
また、上あごにインプラントは下あごにインプラントをするよりもリスクや予後不良の発生頻度が高いことも患者さんは理解すべき点です。
【書籍紹介】ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)がよくわかるおすすめ書籍
一般的に、オールオン4やオールオン6の上物、つまり総入れ歯は、外さない固定式です。
当院では、いつでも外して綺麗にお手入れが行き届きやすいように、
インプラントの上物の総入れ歯は、取り外しができるブリッジのようなもので設計することを、治療の選択肢として提案しています。
具体的には、上物をドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)であるAGCテレスコープにするという設計です。

上あごのブリッジが悪くなり、全て虫歯で抜歯せざるを得ない状態

自身の歯を残しつつ、インプラントを6本入れた状態

上物は取り外しができるブリッジタイプの総入れ歯

治療後
オールオン4やオールオン6は一般的に自身の残っている歯は、健康でも全て抜歯しなければならないという治療方法です。
加えて、オールオン4やオールオン6の上物の総入れ歯は固定式であるため、お手入れが難しくインプラント周囲炎を惹起させてしまう可能性があります。
しかし、このAGCテレスコープでの設計にすれば、ある程度の状態でも自身の歯を残すことが可能となり、
お手入れの際に、取り外すことができるため、インプラントの周囲を綺麗にケアできるため、少しでもインプラント周囲炎のリスクを下げたいという狙いです。

治療前

上下テレスコープ義歯で治療を行なった状態
しかし、たとえ歯が弱くても残っていれば、わざわざ自身の歯を全て抜歯してオールオン4やオールオン6にしなくても、ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)で固定効果は期待できます。
【関連記事】テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)を完全解説!特徴、種類、メリット、費用は?
【書籍紹介】ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)がよくわかるおすすめ書籍
したがって、総入れ歯は不安だからという方でもまずは、自身の歯を使用するドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)を検討し、
それより強い固定効果を得たい場合はオールオン4やオールオン6の上物をドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)であるAGCテレスコープにすることを考えるという順序で治療を考えてみてはいかがでしょうか。
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最終的には、上だけを総入れ歯かインプラントにするか迷った際は、そのリスクや治療期間、治療費用などを比較して検討してみましょう。
まとめ
今回、総入れ歯上だけの治療方法と注意点を解説しました。
当院では、総入れ歯やドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)、インプラントを利用した総入れ歯と様々な治療方法が提案できますので、
総入れ歯の上だけで治療できるのかどうかも含めて、
まずはお悩みや治療で不安な点を教えてもらい、患者さんそれぞれ違うメリット、デメリットを比較して一緒に最善の治療方法を探していきましょう。
私は、歯がない方や歯がボロボロの方に、総入れ歯やドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)、インプラントで治療することを専門にしています。
このようなお悩みの方を専門にしている珍しいクリニックではありますが、全国から患者さんが多数来院されており、開業2年間で約500名以上の方が来院されています。
私は、この歯がない方や歯がボロボロの方に、総入れ歯やドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)、インプラントで治療した症例発表で、学会やコンペティションにて数々の賞を受賞しております。
また、その実績が評価され、全国の歯科医師に向けて依頼講演や依頼執筆を多く手掛けています。
このような実績を見て患者さんが安心して来院されているのではと感じております。
【院長紹介】症例コンテストで数々の受賞歴を持つ院長の経歴紹介
当院の診療室は、全て個室で小規模の歯科医院ですので、言いにくい、聞かれたくないお悩みも十分にお話しいただきご相談いただけますので、ご安心してまずはご相談だけでもお越しいただければと思います。
まずは、治療の前にお悩みをお伺いし、治療のご相談から行いますのでご安心してお越しください。
初診は5500円(保険外診療)です。
【歯のお悩みブログ】これから総入れ歯にしたい方や、歯がボロボロ、歯を失った患者さんに有益な情報をまとめています
執筆者 このは歯科クリニック 院長 小西浩介