注意!テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)で失敗後悔しないために
近年、残念ながら他院で治療されたテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)のトラブル、失敗事例が多発しており、当院に来院される方が急増しております。
テレスコープ義歯と言えど、治療を受ける歯科医院によって、治療結果に如実に差が出ます。
テレスコープ義歯の治療を受ければ必ず良くなるというものではありません。
今回は、テレスコープ義歯で失敗や後悔しないために、患者さん自身にしっかりとしたテレスコープ義歯の知識をつけていただければと思います。
この記事の執筆は、テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の治療を専門としている、学会やコンペティションで数々の受賞歴を持ち、全国の歯科医師に多数の依頼講演と執筆を行う東京の「このは歯科クリニック」の院長である小西が行っておりますので、今後の治療のご参考にされてください。
※この記事のブログも含め、私が執筆したテレスコープ義歯に関する医療コラムをまとめていますので、いつでも見返せるようにブックマークに登録していただいてから読み進めていただければと思います。
【歯のお悩みブログ】テレスコープ義歯やドイツ式入れ歯の有益な情報をまとめています
この記事の内容は、
- テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)とは
- テレスコープ義歯で失敗する原因
- テレスコープ義歯の実際の失敗事例、失敗後悔しないための予防と対策
- テレスコープ義歯の治療を受ける歯科医院を選ぶポイント
- まとめ
テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)とは
テレスコープ義歯は、患者さん向けに『ドイツ式入れ歯』とも呼ばれています。
正式名は、テレスコープ義歯(ぎし)やテレスコープデンチャーと言います。
テレスコープ義歯は、従来の入れ歯とは全く異なるもので、針金のようなクラスプと呼ばれる入れ歯を支える仕組みではありません。
そのため、見た目が自然で、食事や生活もしやすく、残っている自身の歯を取り込むことで、歯を守り活かすことができる、入れ歯先進国ドイツ発祥の義歯です。
その歴史は古く本場ドイツでは130年以上もあり、現在も進化改良を重ね、ヨーロッパではインプラントと同じように普及している治療方法です。
ドイツ式入れ歯という名称ですが、日本の入れ歯とは全く構造やイメージが異なるもので、当院ではこのテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の治療を専門にしており、全国から多くの患者さんが来院されています。
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テレスコープ義歯は、インプラントのような外科手術はなく、磁石の磁力を使用するものでもありません。
テレスコープ義歯は保険適用外のため、自由診療(保険外治療)で治療費用値段が150万円以上はかかります。
治療費用値段が安い治療ではありませんが、インプラントはやりたくない、できない方で、従来の入れ歯はやりたくない方にとって、希望ある治療方法と言えます。
【関連記事】テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)を完全解説!特徴、種類、メリット、費用は?
しかし、テレスコープ義歯の治療には、非常に高度で専門的な治療技術、知識が歯科医師に求められるため、
テレスコープ義歯と言えど、仕上がりや使い勝手、経過具合に大きく差が出てしまう可能性があります。
テレスコープ義歯で失敗する原因
近年、直近10年前と比べても、他院でのテレスコープ義歯の失敗症例や後悔している方の事例が多発しており、
他院で行ったテレスコープ義歯が経過不良でお困りで当院に来院される方が急増しております。
患者さんにできることとして、テレスコープ義歯の治療を受ける前に、患者さん自身である程度判断できるような知識があれば、そのトラブルを減らすことができるかもしれません。
今回はテレスコープ義歯で後悔と失敗しないための知識をつけていただくために少しでもお役に立てるような内容をお伝えしたいと思います。
私は、テレスコープ義歯の治療を専門にしており、これまでテレスコープ義歯で治療した患者さんの症例で、学会やコンペティションで数々の受賞をしています。
その実績が評価され、全国の歯科医師にテレスコープ義歯の依頼講演や依頼執筆を多数しており、
歯科医師の入れ歯の専門書のテレスコープ義歯分野において、大学の教授陣を差し置いて、私が執筆している実績もありますので、当院にはご安心して患者さんがテレスコープ義歯の治療で来院されています。
今回はテレスコープ義歯の失敗というタイトルで解説しますが、当然私自らも失敗する可能性もありますし、そもそもどのような医療でもリスクやデメリットは存在します。
『後医は名医』という言葉があるように、私はどのような治療であれ、歯科医師の失敗を批判することはありませんし、批判するつもりもありません。
ただ単に、歯科医師、患者さん双方にとってテレスコープ義歯が良い治療となることを願っており、そのためにこのような情報提供が歯科医師や患者さんの一助になればと思っています。
【院長紹介】症例コンテストで数々の受賞歴を持つ院長の経歴紹介
テレスコープ義歯で治療するメリットは多々ありますが、今回はテレスコープ義歯の失敗や後悔に繋がりやすいデメリットや失敗する原因について解説します。
テレスコープ義歯の最大のデメリットは、テクニックセンシティブな(歯科医師の技術依存性が高い)治療であるということです。
【関連記事】ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)のデメリットとは
今回はテレスコープ義歯で失敗する原因をいくつか解説します。
症例に合ったテレスコープ義歯の種類でなければ失敗する
まずは、患者さんに知っていただきたいことは、テレスコープ義歯には様々な種類のテレスコープ義歯が存在することです。
テレスコープ義歯は、1種類ではありません。
テレスコープ義歯の種類には、コーヌステレスコープ(正式名:コーヌスクローネ)、レジリエンツテレスコープ(正式名:カバーデンチャー)、リーゲルテレスコープ、AGCテレスコープ、アンカーバンドテレスコープ、シリンダーテレスコープなど様々な種類があります。
これらのテレスコープ義歯の種類を、患者さんのお口の中(歯、歯周組織、歯の欠損状態、噛み合わせ、骨格等)に合わせて、歯科医師が選定します。
したがって、様々なテレスコープ義歯の種類からその症例に合わせた選択を行い、適切な設計をしなければ、テレスコープ義歯が失敗(経過不良等)してしまう可能性が高くなります。
先を見据えていないテレスコープ義歯の設計は要注意
テレスコープ義歯の種類の選定と設計(デザイン)を行うためには、治療前に十分な診査診断(検査)が必要です。
単に、1本1本の歯や歯周組織(歯周病の状態)はどうかというものではなく、
全体的に歯がどういう状態や、噛み合わせや骨格はどうかという視点がテレスコープ義歯の治療には必要となります。
この検査を行う診査診断力、歯科医師がどう考えるか、テレスコープ義歯の種類の選定とデザインも、たとえ同じ症例を診たとしてもおそらく全く同じテレスコープ義歯にはならないという実感です。

歯科医師向けにテレスコープ義歯の教科書も執筆しています。
様々なテレスコープ義歯の種類の中からテレスコープ義歯の種類を決めれば、次は設計(デザイン)を行います。
この設計の内容は、症例の診査診断に基づいて、どの歯に、どれほど義歯の維持力を求めるか、歯の欠損部分の歯肉にどれほど負荷をかけるのか、将来的にその歯がダメになったときの対応可能か、など様々なことを勘案してテレスコープ義歯の設計をしていきます。
私は、テレスコープ義歯のメリットを最大に活かすために、残せた歯、残った歯が将来ある程度の本数が抜歯に至っても作り替えのないような設計を心掛けています。
十分な検査を行い、先を見据えたテレスコープ義歯を設計することが重要ですが、これらが不十分だとテレスコープ義歯が失敗し、早期に使えなくなる可能性が高まります。
テレスコープ義歯の技術力が最も重要
残念ながら患者さんにとって、歯科医師のテレスコープ義歯の知識を含めた技術力を知ることが難しいと思われます。
しかし、このテレスコープ義歯の技術力が大きな影響を与えます。
実際、テレスコープ義歯の治療精度や製作精度が不良で、すぐテレスコープ義歯が使えなくなった、すべてやり直しになった、全然噛めないという失敗事例はよく見かけます。
実は、1980年代に初めて日本にテレスコープ義歯が知られ、多くの歯科医師が臨床で行っていました。
しかし、歯科医師の『うまくいかない』と言う理由で、日本からほとんど姿を消してしまった過去があります。
これは、様々な理由ですが、テレスコープ義歯の治療が経過不良であったことが原因です。
残念ながら、現在でもテレスコープ義歯の失敗症例も多く遭遇します。
具体的には、これから詳しく実例も挙げて解説していきます。
テレスコープ義歯の実際の失敗事例、失敗後悔しないための予防と対策
テレスコープ義歯で失敗する事例や後悔する事例は多種多様ですが、大半は共通する原因や要因が存在します。
ここでは、実際のテレスコープ義歯の失敗事例をいくつか提示し、その原因要因、そしてそれを予防する対策も解説します。
症例に合っていないテレスコープ義歯の種類の選択
テレスコープ義歯には多くの種類があり、症例に合わせてテレスコープ義歯の種類を選択します。
例えば、テレスコープ義歯の種類の1つであるコーヌステレスコープには、禁忌症例や不向きな症例があることは、日本ではあまり知られていません。
【関連記事】コーヌステレスコープ義歯とは|種類、メリット、デメリット、費用を解説します
このように残っている歯の位置関係や噛み合わせの場合、コーヌステレスコープでは禁忌症例とされています。
理由は、このような歯の位置関係の場合、歯を結ぶ線があごの中央を通りますので、欠損部分で噛むと、歯で支えるコーヌステレスコープの場合、歯に過剰な負担がかかるため、歯が悪くなってしまったり、義歯が動いてしまうため、うまく噛めないからです。
にも関わらず、このようにコーヌステレスコープが禁忌である症例に対して、コーヌステレスコープで治療されている症例もよく見かけます。
このような症例に対しては、コーヌステレスコープではなく、歯で支えない吸盤の吸着作用で義歯をくっつけるテレスコープ義歯の種類の1つのレジリエンツテレスコープの選択が望ましいと言えます。
【関連記事】レジリエンツテレスコープとは|50代60代で総入れ歯にしたい方へ|歯が1本でも残せるならテレスコープ義歯で解決
このように、テレスコープ義歯で失敗している場合、テレスコープ義歯の種類の選択が望ましくない症例が多々あります。
ただし、これは患者さんは知識があれば、治療前の治療計画を歯科医師から説明される際に、気づくことができるため、知識をつけることでテレスコープ義歯の失敗を予防できます。
残念ながら、コーヌステレスコープのみしか知らない歯科医師も存在しますので、
レジリエンツテレスコープも含めた他のテレスコープ義歯の臨床経験も十分にあるのかということをリサーチすることをおすすめします。
テレスコープ義歯のために歯の神経は取ってはいけない
これは、1980年代に日本でテレスコープ義歯が廃れてしまった原因の大きな1つです。
テレスコープ義歯に限らないことですが、歯は神経(歯髄と言います)がないと経年的に劣化していきます。
虫歯やその他の理由でやむを得ず、神経をとらないといけないことがあれば仕方ありませんが、テレスコープ義歯にするから、神経を取らないといけないと言うことは決して望ましくありません。
しかし、1980年代から現在も、テレスコープ義歯の経過不良症例では、テレスコープ義歯にするために、全ての歯の神経をとっている症例も多く見かけます。
ですから、テレスコープ義歯では特別な状態を除き神経をとってはいけない、歯を削りすぎてはいけないという歯科医師の考えが重要です。
よく歯科医師へのテレスコープ義歯の講演をする際にも伝えますが、神経を残そうとしても、歯を削る医療機器の種類も重要です。
歯を削る際には、切削熱が生じます。この熱は歯に刺激を与え、神経を残しても麻酔がきれ、歯がズキズキ痛み、結果神経を取らないといけないということも起こりえます。
しかし、当院では、その切削の際に、冷却する水の量が国産のものと比べ何倍もあるドイツ製のカボ社(現:プランメカ社)のユニット(診療台)を使用しています。
この医療機器は高品質ですが、扱いが難しく、国産のユニットの価格の何倍もします。
日本では、保険診療がベースになっており、採算が取れないこともあり、日本での普及率は極めて低いという現状です。
話はそれましたが、歯の神経をとると、歯が弱くなってしまう可能性があるため、
テレスコープ義歯の場合、歯の神経は特別なことがない限り、とってはいけないということを知識の1つとして身につけていただければと思います。
リーゲルテレスコープはリスクが高いため要注意
最近、他院でテレスコープ義歯で失敗して患者さんが後悔している症例で最も急増しているのが、リーゲルテレスコープの症例です。
リーゲルテレスコープは、テレスコープ義歯の種類の中で唯一、歯同士を内冠(歯に装着し外さない金属製の被せ物)で連結する構造となります。
【関連記事】リーゲルテレスコープ義歯とは|種類、メリット、デメリット、費用を解説します
経過不良で深刻な状態になっていることが多いのは、全体にリーゲルテレスコープを設計しているもので、歯を複数の歯にわたり内冠で連結しているパターンです。

内冠で全体に連結しているリーゲルテレスコープの内冠です。

使えなくなったリーゲルテレスコープ
全体のリーゲルテレスコープをされた理由として、神経がなくても全て連結すれば丈夫になる、もし抜歯に至っても修理で使うことができると歯科医師から説明を受けたとよく聞きます。
リーゲルテレスコープの構造上、内冠に鍵穴の構造があるため、その内冠を装着している歯がダメになってしまい、もし抜歯に至れば使用ができなくなります。
そして、歯を複数に連結している場合は抜歯は容易ではありません。
歯科医師も患者さんも治療したらもう歯が悪くならないと考えがちですが、歯が悪くなる可能性も視野に入れて、もしこの歯が悪くなっても使用できると言う視点が重要となります。
※そもそも、神経のない歯をリーゲルテレスコープで連結すれば予後良好であるというエビデンスや信頼度の高い文献は、私には探せることができないため、私は推奨はしておりません。
決してリーゲルテレスコープが良くないわけではなく、どのような治療であっても、歯科医師が医学的な根拠を踏まえ治療計画を考え、十分に治療内容やリスク、デメリットの説明を患者さんに行い、患者さんが理解し治療に同意し治療を行うことが望ましいと私は考えます。
神経のない歯が多い場合は先を見据えたテレスコープ義歯の設計が重要
歯科医師からよくいただく質問で、もともと神経のない歯が多い場合は、テレスコープ義歯でどうすればいいのかという質問があります。
神経のない歯が多くても、歯周病に罹患していない、または軽度の場合で歯の本数が多い場合は、テレスコープ義歯の種類の1つであるAGCテレスコープを選択するか、コーヌステレスコープで、全体の維持力(支えにする力)をコントロールした設計にします。
【関連記事】コーヌステレスコープの進化版|AGCテレスコープ義歯とは
もし、神経がない歯で歯の本数が少ない、中程度から重度の歯周病の場合は、レジリエンツテレスコープを選択します。
【関連記事】レジリエンツテレスコープとは|50代60代で総入れ歯にしたい方へ|歯が1本でも残せるならテレスコープ義歯で解決
神経のない歯で、経過が長い歯の場合は、いつ歯根破折に至っても不思議ではありません。
したがって、神経のない歯が最悪抜歯になっても対応できるような設計にすること、そしてその前にできることは、歯をかかる力をコントロールした設計にすることがテレスコープ義歯で失敗しないために不可欠と言えます。
テレスコープ義歯の噛み合わせや見た目で失敗
これは、テレスコープ義歯が完成しないとわからないことで、患者さんにとっては非常に深刻な問題になりやすいテレスコープ義歯の失敗の1つです。

他院でテレスコープ義歯のような治療方法で治療をされた状態

他院で治療されたテレスコープ義歯の見た目

当院でテレスコープ義歯でやり直し治療を行なった状態

当院でテレスコープ義歯で治療した見た目
対策はテレスコープ義歯の技術が高く、様々な症例を多く経験している歯科医師に治療してもらうことに尽きます。
当院では、最終的なテレスコープ義歯が完成する前に、仮歯や仮義歯(テレスコープ義歯用の仮歯)を製作し、本番前にシュミレーションを行ったり、テレスコープ義歯が完成する前の段階で試着のような試適を必ず行います。
そうすることで、最後のテレスコープ義歯の見た目や噛み合わせが患者さんの希望と大きく違うということは回避することができます。
テレスコープ義歯がすぐ外れてしまう
テレスコープ義歯全般にあることですが、義歯が外れやすいというトラブルです。
例えば、他院で治療されたレジリエンツテレスコープで、一見、使用する材質や内冠、外冠に異常がないように見えますが、テレスコープ義歯が外れやすいという主訴の方です。
【関連記事】レジリエンツテレスコープとは|50代60代で総入れ歯にしたい方へ|歯が1本でも残せるならテレスコープ義歯で解決
この原因は、いかに歯茎にぴったりさせるか、噛み合わせをいかに整えるかの治療技術、テレスコープ義歯の製作精度に尽きます。
このあたりの技術力によるものは患者さんには治療前に、判定しづらいところですので、そのようなテレスコープ義歯の失敗を防ぐためにも、患者さんは、歯科医師のリサーチが必須と言えます。
部分的なテレスコープ義歯は極力避ける
テレスコープ義歯のメリットを最大限に活かすためにも、治療後もし歯が悪くなってもテレスコープ義歯の治療をやり直ししなくてもいい設計にすることが大切です。
部分的なテレスコープ義歯の場合、歯が1、2本抜歯に至った場合、テレスコープ義歯が使用できなくなる可能性が高くなります。

部分的なテレスコープ義歯で当院で除去したテレスコープ義歯
したがって、テレスコープ義歯のほとんどは全体的なテレスコープ義歯にすることをお勧めします。
唯一、テレスコープ義歯で部分的にするとしても片側(右のみ、または左のみ)の条件が揃ったリーゲルテレスコープのみで、もし、このリーゲルテレスコープにする場合は、患者さんに十分リスクの説明をし、同意が得られた時に限ります。
したがって、奥歯のみテレスコープ義歯にしたい、前歯のみテレスコープ義歯にしたいということは、失敗後悔しないためにも、部分的なテレスコープ義歯は極力避けることをおすすめします。
テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の治療を受ける歯科医院を選ぶポイント
では、どのようなテレスコープ義歯の治療を受けようと考えたときに、どの歯科医院がいいのか、歯科医院の選ぶポイントをお伝えします。
テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の名医を探す
どのような治療も患者さんにとってみれば、その専門でかつ名医と言われる歯科医師に診てもらいたいと思うはずです。
しかし、患者さんがテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の名医を探してインターネット上での様々な情報を精査することは極めて困難と言えます。
インターネット上で有名でも、歯科医師の中では知られていないというのもよくあることです。
それをふまえて患者さんにできることは、
- テレスコープ義歯の治療の実績が豊富にあるか
- 歯科医師のテレスコープ義歯の治療技術が、歯科医療業界で評価をされているか
- 複数の歯科医師にテレスコープ義歯の名医を教えてもらう
- テレスコープ義歯を歯科医師に教育している実績が豊富にあるか
などです。
テレスコープ義歯には専門医制度がありませんので、テレスコープ義歯専門医というのは存在しないため、注意が必要です。

歯科医師向けにテレスコープ義歯の設計を講演しています。
私は、これまで歯がない方や歯がボロボロの方に、テレスコープ義歯で治療した症例発表で、学会やコンペティションにて数々の賞を何度も受賞しております。
その実績が評価され、全国の歯科医師に向けてテレスコープ義歯に関する依頼講演や依頼執筆を多く手掛けています。
【院長紹介】症例コンテストで数々の受賞歴を持つ院長の経歴紹介
現在当院は、テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)を専門にしている珍しいクリニックではありますが、全国から患者さんが多数来院されており、開業当初2年間で約500名以上の方が来院されています。
これは、私の実績を見て患者さんが安心して来院されているのではと感じております。
最近、テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の名医を徹底的に調べたら小西浩介先生に行き着いた、という患者さんが増えてきています。
多いのが、テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の名医を探していろんな歯科医院を探して比べてみてこちらが良いと思ったので治療をお願いしにきたという患者さんです。
【書籍紹介】ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)がよくわかるおすすめ書籍
最近では、複数の患者さんから、自分でインターネットで情報を調べても、AIの力で調べても、テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の名医は小西浩介先生、と出てきたから間違いない、という話も聞くこともあり、時代を感じることもあります。
※これを含め、どのような情報でも鵜呑みにせず、ご自身でご判断ください
話はそれましたが、当院のこのホームページ内の症例集では、様々な患者さんの治療前の状態からテレスコープ義歯で治療した状態を豊富に掲載しておりますので是非ご参考にされていただければと思います。
【症例集】歯がボロボロでもテレスコープ義歯で綺麗になれるBefore、After!治療方法と費用を掲載
もし、患者さん自身でテレスコープ義歯の名医を探しきれない場合は、まずは私にご相談いただければと思います。
治療費用値段が安いテレスコープ義歯は要注意
テレスコープ義歯の治療費用値段は、およそ150万円以上することが一般的です。
これは、テレスコープ義歯を製作費用や材料に費用がかかること、テレスコープ義歯に関連する治療は全て保険適用外で、保険外治療となること、治療期間が約1年ほどかかることなど様々な理由からです。
にも関わらず、この数百万円かかる治療費用値段の相場よりも安いテレスコープ義歯の治療費用値段であれば、何かしらの理由がある可能性があります。
また、日常的に一般的な保険治療で数多くの患者さんの治療を行いながら、テレスコープ義歯の治療も行うということは私は極めて困難であると考えています。
このあたりは、患者さんで十分リサーチされることをおすすめします。
【関連記事】テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の値段費用を教えてください
歯科技工士の立ち会わせがあるからという理由だけで選んでいいのか
テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の治療では必ず歯科技工士を立ち会わせますというのがあります。
患者さんから安心する判断材料からもしれませんが、当院ではほとんど行なっておりません。
理由は、治療して常に患者さんを診ている歯科医師、歯科衛生士と患者さん間で十分にすり合わせをし、歯科技工士にオーダーできるからです。
また、テレスコープ義歯の専門歯科技工士であろうと、症例の得意不得意というのが、あります。
この症例は、この歯科技工士が得意というのは、多くのテレスコープ義歯の治療をしているとよく感じます。
当院では、テレスコープ義歯であれば必ずこの歯科技工士と決まったものではなく、私と提携ある全国(埼玉、東京、沖縄)の6名の歯科技工士から私が患者さんの症例に最適な歯科技工士を選定して行なっております。
患者さんが不在の時に、私と歯科衛生士と歯科技工士で打ち合わせを行い、患者さんの希望や意向を擦り合わし、テレスコープ義歯の治療を進めています。
そのようなことから、10年前から歯科技工士を立ち会わせをしなくても十分な結果を得ています。

治療前の見た目

テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の治療後の見た目。写真を共有することなく、私が技工士に文書でオーダーを伝えたのみで、歯科技工士の立ち合わせは一切行っていません。このように見た目や噛み合わせも問題なくできていることがわかります。
そもそも、歯科技工士は法律上、患者さんのお口の中に触れることは禁止されています。
立ち会ったとしてもお口の中に触れることができないので、写真や必要に応じ動画での情報共有で十分事足りると私は考えています。
また、歯科技工士を立ち会わせることで、歯科技工士の立ち会い費用が歯科医院側に発生します。
当然、その費用は患者さんの治療費用に入るか上乗せされることになります。
また、テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の専門技工士は全国的にも非常に少なく、非常に多忙です。
テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)は、ほとんどの工程がハンドメイドでオーダーメイドであり、非常に繊細で緻密に製作しなければならないため、1人の患者さんあたり膨大な時間をかけて製作しています。
そのため、立ち会いをお願いしてしまうと、その分どこかにしわ寄せがくる可能性もあるため、患者さんのことを思うと、良いテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)を製作してもらいたいため製作に集中してほしいという想いが私にあります。
決して、歯科技工士の立ち会いが悪いとは私は思ってはいませんし、患者さんも歯科医師も立ち会ってくれるくれたら安心ということもあると思います。
特にテレスコープ義歯の治療をやり始めの歯科医師や自ら技工操作をしないあるいは苦手な歯科医師にとっては、歯科技工士が横にいてくれるとどれほど安心できるかは想像に難くありません。
したがって、一概に歯科技工士の立ち会いが必要か不必要かというのではなく、歯科技工士の現状や歯科技工士が立ち会わない理由を少しでも患者さんにも知っていただければと思います。
まとめると、一意見として、立ち会いをしてくれるからという理由のみで、テレスコープ義歯の治療を受ける歯科医院を選ぶことがいいのかということです。
※余談
テレスコープ義歯のその場でできる修理や、試し入れ時の修正が必要となった場合、ほとんど歯科医師の私が行なっております。仮歯も私が即日でその場で製作しています。患者さんにも驚かれますが、これは過去に下積み時代に永く技工操作を自分でやっていたおかげです。
様々な種類のテレスコープ義歯の治療実績があるか
先述したように症例に合わせて、様々な種類のテレスコープ義歯から選定しなければテレスコープ義歯で失敗する可能性が高くなります。
少なくとも、コーヌステレスコープ、レジリエンツテレスコープ、AGCテレスコープ、リーゲルテレスコープの実績があることが重要となります。
治療する際は、コーヌステレスコープであっても、その後の修理や万が一のリカバリーのためにも、レジリエンツテレスコープ、AGCテレスコープで対応できる準備が必要となります。
したがって、様々な種類のテレスコープ義歯の治療実績があるかもテレスコープ義歯の治療を受ける歯科医院の選び方のポイントの1つと言えます。
テレスコープ義歯のおすすめ書籍で系統だった知識をつける
テレスコープ義歯について歯科医師に講演や執筆活動を行なっておりますが、歯科医師であってもすぐテレスコープ義歯を理解することは困難と言えます。
ましてや、患者さんであればよく理解するためには十分でかつ偏らない、正しい情報が必要となります。
テレスコープ義歯のおすすめの書籍は、私が患者さん向けに執筆したテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯とも言います)の書籍です。
【書籍紹介】ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)がよくわかるおすすめ書籍
患者さんがテレスコープ義歯を一から知っていただけるように、約300ページにわたる豊富な情報量を掲載しております。
この書籍も参考材料の1つとして、患者さんに正しいテレスコープ義歯を理解していただいた上で、テレスコープ義歯の治療を受けていただきたいと思います。
※テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)の口コミをインターネットで検索すると、当院で治療をされた方の実際のアンケートがたくさん出てくると患者さんから教えていただくことが多いです。
こちらに掲載されていますので、同じお悩みを抱えていた人が治療してどう感じたかをご参考にされてみてください。
まとめ
今回は、テレスコープ義歯で失敗後悔しないために専門的に解説しました。
多くの患者さんがテレスコープ義歯で失敗後悔することなく、テレスコープ義歯で救われることを願っています。
これからテレスコープ義歯をご検討の方は、当院では初診時の治療の前にお悩みをお伺いし、治療のご相談から行いますのでご安心してお越しください。
初診は5500円(保険外診療)です。
すでに他院でテレスコープ義歯の治療を行いお困りの方は、対応可能かどうかは状態によりますので、まずは当院にお問い合わせいただければと思います。
テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)でお悩みの方は、こちらのブログにも私が執筆した様々な情報を掲載していますので、ご参考にされていただければと思います。
【歯のお悩みブログ】テレスコープ義歯やドイツ式入れ歯の有益な情報をまとめています
執筆者 このは歯科クリニック 院長 小西浩介
2025月4月8日更新