【院長執筆の歯科医師向けの書籍が発刊されました】
院長の小西です。
前回のブログでも別の書籍が発刊されたことをお伝えしましたが、今月はもう一つ書籍が発刊されます。
今回は歯科評論11月号において巻頭特集の執筆依頼をいただき執筆しました。
タイトルは『「上減の歯列」を考慮した戦略的補綴設計~欠損の拡大を予測し、対応する~』です。
難しいタイトルですので少し解説します。
「上減の歯列」とは、上顎の歯が下顎の歯よりも悪くなりやすく欠損(歯を失う)が起こりやすいという1つの疾患のパターンのことを指します。これは、東京歯科大学の臨床教授である宮地建生先生によって提唱された疾患のパターンです。
臨床において上顎歯の方が下顎歯よりも状態が良くないという状況はしばしば遭遇しますが、この状態は最終的に上顎が無歯顎(全ての歯を失う)に近い状態の典型的なパターンと言えます。
この「上減の歯列」であるということに歯科医師が診断できていない、または診断できていても、歯がボロボロの状態をどのような治療手段で治療する(補綴設計)かによってその予後が大きく左右されます。
確実な診断がないまま、単に欠損したところにインプラント、ブリッジ、テレスコープ義歯を入れてもその欠損の進行は抑えられません。
それどころか患者さんが頑張って身体的、金銭的に治療を費やしても再び欠損してしまったりと患者術者ともに良い結果に結びつきません。
そこで、この書籍では現在の状態からどのような欠損または悪化していく経路を辿っていきやすいかという診断から、それに対してインプラント、ブリッジ、テレスコープ義歯を選択していくかという補綴設計の勘所まで執筆しました。
特集の最後には、総括としてまだお会いしたこともない、東京歯科大学の臨床教授である宮地建生先生から私の臨床に対してお褒めのお言葉をいただいており、とても光栄で貴重な経験となりました。
歯科医療関係者の皆様は、是非ご一読くださいますようお願い申し上げます。